米国セントルイス美術館で日本画の一世紀展開催
1995年11月明治元(1868)年から百年間の日本画の展開を跡づける「NIHONGA-Transcending the Past」展が米国ミズーリ州のセントルイス美術館(The Saint Louis Art Museum)で4日から開催された(-12.31)。米国の日本画研究者が作品選定、構成にあたり、開催とともにシンポジウムも行われて「日本画」とは何かを国際的視野から問う好機となった。
明治元(1868)年から百年間の日本画の展開を跡づける「NIHONGA-Transcending the Past」展が米国ミズーリ州のセントルイス美術館(The Saint Louis Art Museum)で4日から開催された(-12.31)。米国の日本画研究者が作品選定、構成にあたり、開催とともにシンポジウムも行われて「日本画」とは何かを国際的視野から問う好機となった。
第17回サントリー学芸賞(サントリー文化財団主催)の受賞者が、13日決定された。4部門7人の受賞者のうち、美術関係では芸術・文学部門で今橋理子『江戸の花鳥画 博物学をめぐる文化とその表象』(スカイドア)が受賞した。
千葉市中央区に3日、千葉市美術館(辻惟雄館長)が開館(千葉市中央区中央3-10-80)。地下3階地上12階、塔屋1階の建物の3-5階が中央区役所、7階以上が美術館で、7、8階が展示室、9階が市民ギャラリー10階が図書室となっている。「千葉市を中心とした房総ゆかりの作家・作品」「近世以降の美術品」「現代美術」を収集の柱とし、開館記念展は大英博物館との共同企画による「喜多川歌麿展」(3-12.10)。
愛知県豊田市に11日、豊田市美術館(寺光彦館長)が開館(豊田市小坂本町8-5-1)。建物は地上3階地下2階、鉄筋コンクリート造りで延べ床面積は1120平方メートルで常設展示室7室、企画展示室1室のほか漆工芸の高橋節郎館、図書閲覧室、講堂、アトリエ等の諸施設を備えている。「一作家複数作品」をめざし、国内外の近現代美術を系統立てて収集、展示していく方針で、開館記念展は「デトロイト美術館所蔵:ヨーロッパ近代美術とアメリカ現代美術」(-1.7)。同館はデトロイト美術館と姉妹館提携を結んでおり、今後も情報交換、人的交流を推進していく。一般市民の美術館活動への参加を促すため準備室段階から一口千円の美術品購入基金を実施し、一般の寄付を仰いでいる点も注目される。
国境を越え、世界の平和と文化の発展に人生をささげた芸術の創造者たちをたたえる「高松宮殿下記念世界文化賞(プレミウム・インペリアーレ)」(財団法人日本美術協会主催)の第7回受賞式が26日、東京赤坂の明治記念館で行われ、絵画部門でフランスのマッタ(83)、彫刻部門でアメリカのクリスト夫妻(60)、建築部門でイギリスのレンゾ・ピアノ(58)が受賞した。
優れた美術評論や美術史研究および創作活動に贈られる倫雅美術奨励賞の第7回受賞者が決まり、美術評論・美術研究部門では世田谷美術館の勅使河原純(47)の『美術館からの逃走』(現代企画室)と東京国立近代美術館工芸館の樋田豊次郎(44)「素材の領分」展の企画とカタログ論文、創作活動部門では車季南(チャ・ケナム)(42)の「染織を通じての最近の創作活動」が選ばれた。顕呈式は12月4日、赤坂プリンスホテルで行われた。
砂丘を背景とする構成的な作品で知られる写真家植田正治の作品を保存、公開する「植田正治写真美術館」が23日、作家の郷里である鳥取県岸本町に開館(西伯郡岸本町須村353-3)。建物は国立公園大山の麓にあって高松伸の設計になり、鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積2800平方メートル。4展示室のほか映像展示室などを備え、作家から寄贈された約12000点の写真作品の保存、調査研究、展示公開を行っていく。開館記念展は「UEDA-CHO:植田正治、その変革なき変遷」展(23-3.24)。
近代の文化遺産の保存や活用のあり方を検討している文化庁の協力者会議(河合隼雄座長)は16日、「大正期以前に限定してきた文化財(建造物)の時代範囲の基準を、建築後半世紀を経過した建造物に改めるべきだ」とする報告書をまとめた。また、橋などの土木構造物も対象に加え、使用しながら保存するよう提言している。これにより、近代の文化財の指定、保存に新たな枠組みが提示されたこととなる。
今年度の文化勲章受章者5名と文化功労者15名が24日、政府から発表された。美術関係では漆芸の佐治賢使(81)が文化勲章受章者に、日本画の加藤東一(79)、版画の斎藤清(88)、書の杉岡華邨(82)が文化功労者に選ばれた。
国内の優れた彫刻作品に贈られる中原悌二郎賞の第26回目の受賞者は武蔵野美術大学教授の保田春彦(65)の「聚落(しゅうらく)を囲う壁Ⅰ」に、中堅・若手作家を対象とした中原悌二郎賞優秀賞は舟越桂(44)「唐突な山」に贈られることとなった。
文化庁は21日、世界的に貴重な自然・文化遺産を保護する世界遺産条約に基づく「世界遺産一覧表」への登録候補に広島市の原爆ドームと広島県宮島町の厳島神社の二件を推薦する事を正式に決定した。同日の文化財保護審議会で了承され、22日に関係省庁の連絡会議で協議したうえで、ユネスコの世界遺産委員会に伝えられ、1996年12月の同委員会で登録の可否が決定される。
敗戦から半世紀を迎える今夏、美術界でもそれに関連する企画が相継いだ。東京都庭園美術館では12日より「終戦50年企画アメリカに生きた日系人画家たち」展が開かれ、大分県立芸術会館(10.25-11.19)、ひろしま美術館(11.25-1.28)に巡回したほか、沖縄県の浦添市美術館では「沖縄戦後美術の流れ」(2-27)、広島市現代美術館では「ヒロシマ以後-現代美術からのメッセージ」展(7.22-9.17)、郡山市立美術館では「ヒロシマ-21世紀へのメッセージ」展(12-9.17)神奈川県立近代美術館では「芸術の危機-ヒトラーと《退廃芸術》」展(13-9.24)、町田市立国際版画美術館では「戦争・人間展」(7.30-9.24)が開かれ、第二次世界大戦と戦後の美術を振り返り、再考する試みがなされた。
福井県武生市の小泉剛康市長は11日の定例市議会初日で、懸案となっている佐伯祐三の油彩画38点の公開を中止する旨を明らかにした。「夭折の天才画家」と言われる洋画家佐伯祐三(1898-1928)の未公開の作品、資料が、昨年、大量に発見され、その一部が武生市に寄贈されて、同市が計画している「佐伯祐三記念美術館(仮称)」所蔵作品として11月に一般公開される予定であったが、寄贈作品について疑問の点が多いとして、全点、寄贈者に返却されることとなったもの。
酒造会社メルシャンが所有する「軽井沢ウイスキー蒸留所」の樽貯蔵庫を改築した「メルシャン軽井沢美術館」(長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口)が23日に開館。床面積1330平方メートルの建物はフランスの建築家ジャン・ミッシェル・ヴィルモットの設計になり、元の建物を活かしたものとなっている。開館記念展はフランスのマーグ・コレクションからの出品を中心とする「ミロ、夢の迷宮」展(23-11.19)。
北海道小樽市に27日、ペテルブルグミュージアム(今井千香子館長、小樽市色内1-3-1)が開館。株式会社丸井ディオスの運営になり、小樽市指定の歴史的建造物「旧小樽ホテル」の内部を改装して美術館としたもので、エルミタージュ美術館、国立ロシア美術館などサンクト・ペテルブルグ(旧レニングラード)の美術館博物館と提携し、これらの館の所蔵品を継続的に常設展示する。
近年、文化財公開施設の新設・増大、文化財公開事業などが活発に行われるようになったことに鑑み、文化庁文化財保護部は「文化財公開施設の計画に関する方針」を打ち出し、博物館等の文化財公開施設を計画する際の基本的な考え方や留意点を明確にした。文化財の維持・保存と公開・活用というあい矛盾する二者を調和させるためにかねてからそのよりどころとなる指針の提示が求められていたことに応え、立地条件、設計と施工などについて具体的な基本ラインが示されている。
独立美術協会の創立委員として同会、および日本のフォーヴィスム運動を主導した洋画家里見勝蔵(1895-1981)の生誕100年を記念して、その画業を振り返る「里見勝蔵展」が18日から京都国立近代美術館で開催された。油彩、素描など185点の作品のほか、写真等の資料も展示される充実した展観となった。同展は後、鳥取県立博物館(10.6-11.5)、目黒区美術館(11.18-1.15)、郡山市立美術館(1.27-3.3)に巡回した。
具象彫刻を対象とする「ロダン大賞展」と抽象彫刻を対象とする「ヘンリー・ムーア大賞展」を統合して1993年に始まった「フジサンケイ・ビエンナーレ現代国際彫刻展」の第2回展が21日から美ヶ原高原美術館で開催され、「ロダン・ムーア記念賞」受賞者の作品が展示された。コンクール部門には52ヶ国から750点の作品が寄せられ、最高賞である大賞に吉本義人の「連態95-1」、「ロダン・ムーア記念賞」にはウィリアム・タッカー(英・米)の「ヴィシュヌ神(プロメテウス)」、優秀賞には池田満寿夫「犀」、エリゼオ・マッティアッチ(伊)「観念が循環する場所」、ジョエル・パールマン(米)「大きな南の星」が選ばれた。コンクール部門入賞作17点にボロフスキー、トニー・クラッグなど招待作家の作品4点を加えた同展は10月31日まで開催された。
長野県諏訪湖畔に6日、「サンリツ服部美術館」(長野県諏訪市湖岸通り2-1-1)が開館。地元の不動産管理会社サンリツ企画株式会社の所蔵作品とセイコーエプソン社長であった故・服部一郎の収集品を合わせた約600点の収蔵品は茶道具、古書画を中心とし、国宝、重要文化財、重要美術品28点を含む。建物は内井昭蔵の設計になり、「水辺より湧き上がる雲」のイメージを表している。「開館記念名品展」は6日から9月10日まで行われた。
18世紀後半に京都で活躍し、写生を重視して近世絵画に新風を吹き込んだ円山応挙の没後200年を記念し、4日から京都国立博物館で特別展「円山応挙-抒情と革新」展が開かれた(-8.6)。画家の20代から没年にいたるまでの画業を障壁画、?風、掛幅、画巻のそれぞれの形式によってたどる充実した展観となった。